以前の記事でWindows 7 UltimateをVHDマルチブートインストールする方法をImagexを使い紹介したが、今回はUEFI/Intel RaidのシステムにDVDメディアからWindows 8を例にインストールする方法を紹介する。Windows 8がプリインストールされているノートPCで、評価環境としてパーティション構成を崩すことなくProやEnterpriseの環境も起動できるようにしておきたい時に使える技である。
Dellのノート等、Intel rapid storage technologyでRaid構成となっている場合、Imagexを使ってVHDにOSをインストールすると、初回インストール処理のために再起動してもストレージデバイスのドライバーがない為上手く動作しない。この様な場合、VHDを作成しておき、DVDインストールメディアから起動後ストレージデバイスのドライバーを読み込ませVHDをマウントし、インストールする手順となる。
今回はその手順について説明しよう。
筆者が今回使用したのはWindows 8モデルのDell Inspiron 15zである。
ディスクの管理画面にてVHDファイルを作成する手順は上記Windows 7をVHDインストールする手順と同じだが、UEFIのシステムではVHDのディスク初期化時GPTにしておく必要がある。MBRにしておくと、インストール時にエラーとなる。
MBRで初期化してしまった場合でも、パーティションを削除した状態でディスクを右クリックしてGPTに変換する事も出来る。
VHDの準備が出来たら、ストレージデバイスのドライバー(OS標準でディスクにアクセスできない場合)を準備する。メーカーのホームページかデバイスのメーカーのページからドライバーをダウンロードし、圧縮されていれば展開後USBメモリ等にコピーしておく。
DVDドライブにWindowsのインストールメディアをセットし、DVDから起動する。Dellノートの場合起動時のDellのロゴの画面でF12を押すとブートメニューが表示されるので、DVDドライブを選択する。
DVDから起動すると、Press any key to…のメッセージが表示されるので適当なキーを押下し、Windowsのセットアップに入る。
セットアップ画面を次へ進んでいくと、ストレージ認識しない為ドライバーのインストールメッセージが表示されるので、ドライバーを準備しておいたUSBメモリを接続し、「参照」ボタンを押下する。
x64のシステムであれば、64bitのドライバーの格納場所を指定する。ここで誤って86bitのドライバーを指定すると、再度指定してもうまく読み込んでくれなかったので注意が必要だ(再起動後にやり直すと動作した)。
上手くドライバーが読み込まれたらインストール先パーティションの選択で既存のパーティションがリストされる。VHDは自動的にマウントされないので、ここで「Shift + F10」キーを押し、コマンドプロンプトを開く。
適当にドライブ移動し、VHDファイルが格納されているドライブを探す。
格納されているドライブが分かれば、diskpartコマンドを実行し、VHDをマウントする。
diskpart select vdisk file="e:\storage\vhd\win8ent.vhd" attach vdisk
vhdファイルがマウントされれば、exitで抜ける。
選択画面で「最新の情報に更新」をクリックするとマウントされたVHDドライブが表示されるので、インストール先として選択する。「ドライブXパーティションXにWindowsをインストールすることはできません」と表示されるが、「次へ」を押すとインストールが開始する。
後は通常のWindows 8インストール手順と同じである。セットアップ完了後、VHDドライブがCドライブ、物理ドライブがDドライブとしてマウントされている。
元のWindows 8で起動しなおし、管理者コマンドプロンプトを開く。BCDEDITを実行するとVHDブートのWindows 8がデフォルト設定になっている。
デフォルトを元のWindows 8のブートに戻し、ついでにset descriptionで分かりやすい名前を付けておく。名称の変更についてはマルチブートのOS名称を変更する記事を参考。
bcdedit /default {current}
これでVHDブートのWindows 8の設定は完了である。VHDのファイルのバックアップを取っておけば、いつでもクリーンな状態のOS環境に戻す事が出来る。VHDファイルを可変にしておけば、ストレージの節約にもなる。
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