Microsoft Surface Pro 2やVivotab Note 8にはWacom製のデジタイザが搭載されているが、デフォルトのままだとAdobe Photoshop等で筆圧が動作しない。
筆圧を有効にするためには現時点では別途WacomからEnhanced Tablet Driverをダウンロードして入れる必要がある。
http://us.wacom.com/en/feeldriver
ドライバーのインストールにより筆圧は有効になるが、位置補正に使うポイントが少ないため、画面全体でズレが発生する箇所が出る。この精度を上げるために、tabcalコマンドにパラメーターを渡して補正する方法がある。(2014/2/1追記:PhotoshopはWinTab方式でペンのデータを取っており、デスクトップやOneNoteでは補正されたデータが使われるが、Photoshopのウィンドウをアクティブにすると位置がずれる・・・。WinTab方式でも補正を有効にする方法が不明)
参考:
Surface Pro でお絵かきしたい人用のカーソルの位置合わせの仕方
http://blog.ycums.info/post/63626531110/surface-pro-stylus
肉うどんVivoTab Note 8のペンのズレを16点(以上)で調整する方法
http://www.rez.sakura.ne.jp/~io/txt/vivotab/2.html
[HOW TO] PROPERLY calibrate your PEN and fix those stupid corners (273 test points)
http://forum.xda-developers.com/showthread.php?t=2171198
実際にやってみると、デバイス名を取得してスクリーンショットを取りつつ英数字の羅列をコマンドラインに打ち込み補正ポイントの数値を・・・
やってられるかー!(ノ`Д)ノ彡┻━┻∴
と、言うわけで自動化するプログラムを作ってみた。プログラム作る方がよっぽど時間も労力もかかるが、筆者はプログラミング中毒者なのでそちらの方が楽しい。が、なかなか一筋縄ではいかなかった。Enhanced Tablet Driverをインストールしたり補正を行ったりtabcalのパラメーターをいじったりすると位置補正が動いたり動かなかったり、線形調整データは既に存在します。リセットしてくださいのメッセージが出たり、リセットをしてもリセットされなかったりと動作がいまいち掴めない。
未だ動作条件が不明な点があるが、とりあえずドライバーのインストールやアンインストールを行えば安定するのでプログラム公開しておく。やっている内容は上記参考サイトの内容を合わせた処理になっている。
・自動的にDevicePath名を取得
・レジストリから直接補正データを削除し強制リセット
・GUI上で補正位置を設定
・自動的にパラメーター設定しTabcalを起動
ファイルはこちら。通常はライブラリ込みの方を、mfc120u.dllが入っている環境ではライブラリ無し(でも有りでもかまわないが)をダウンロード。
PenAdjustHelper_Stlib.1.3.zip – Download (MFCライブラリ込み)
PenAdjustHelper_1.3.zip – Download (MFCライブラリ無し)
Version 1.3b 2014/2/15 ・リセット時有効にするには再起動して下さいのメッセージ追加。 Verison 1.3 2014/2/10 ・設定リセット時、UserLinearityDataも削除する様修正 ・デバイス名の&が正しく表示される様修正 Verison 1.2 2014/2/3 ・タッチパネルの長押しによる右クリックに対応 ・説明文を箇条書きに変更、説明文をチェックボックスで表示/非表示に変更 ・右クリックでbatchファイルに保存する機能を追加 ・カスタム設定でグリッドを細かく設定できる様修正
簡単に使い方を説明する。
※本ツールは一時的にtabcal.exeファイルをいじるので、もし本ツール実行後、ツールを終了させても位置補正を行おうとしても「パラメータ取得しました」と出て実行できなくなった(tabcal.exeが戻らなくなってしまった)場合、システムファイルが破損、消失してしまった場合の復元方法の記事を参考にしてください。一応c:\windows\system32\tabcal.original.exe でバックアップを取りますので、このファイルが73kbぐらいであればtabcal.exeを削除しtabcal.original.exeをtabcal.exeに名前変更する事でも戻ります。
(2014/2/16追記修正)※Vivotab Note 8でやってみた所ISD_DualTouchが入っている場合画面端の方でペンが暴れまくりえらい事になりました。リセットして再起動すると元に戻ります。Vivotab Note 8対応版のドライバー開発中と言う事らしいですが・・・。
解凍後PenAdjustHelper.exeを実行する。管理者権限で動作するので、メッセージが表示されたらOKで続行する。「WindowsによってPCが保護されました」と表示される場合、「詳細情報」をクリックしてから「実行」を押す。
起動パラメーター取得ボタンを押下する。
調整、ペン入力を押下する。
自動的にパラメーターを取得するので、ウィンドウを閉じて戻る。
補正リセットボタンを押し、既存のデータを削除する。
プリセットから補正の細かさを選択する。補正ポイントが増えれば補正の手間がかかるが、よりペンの物理的な位置に近い入力が出来るようになる。
ペンを動かし、ズレが大きい箇所があればそのあたりを重点的に補正すると良い。補正位置の線はドラッグして移動出来る。
マウス右クリックで補正位置の追加や削除も出来る。
Tabcal起動を押すと設定した補正位置での位置調整が行われるので、調整を行う。環境によっては、カスタマイズした補正位置が表示されず標準の4点補正になる場合がある。この場合、補正データをリセットしたりドライバーを一度アンインストール/インストールするとなおる事がある。
補正後、適当な空白場所で線を描いてみて補正具合を確認しよう。補正を行っても反映されない場合があるが、この場合もドライバーのアンインストール/インストールでなおったりする。
筆者の環境の場合、何度補正を行ってもどうしても画面左上だけペンの動きがおかしくなってしまう。2台のSurface Pro 2のどちらでも左上のペン動作がおかしいので、仕様的なものなのかもしれない。
自分でソースをいじってみたい奇特な人がいれば、コメントなしで読み辛く、Visual Studio 2013 C++ MFCの環境でよければソースを置いておくので勝手に持って行って欲しい。
PenAdjustHelper_src.1.3.zip – Download
まだtabcalのパラメーターやWacomのドライバーの組み合わせによる挙動が把握出来ておらず動作条件が良くわかっていないので、何か情報があればコメントにでも書いていただけると助かる。
Surface Pro 2です。
exeファイル実行時次のメッセージが表示されます。
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PenAdjustHelper.exe – システム エラー
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コンピューターに mfc120u.dll がないため、プログラムを開始できません。この問題を解決するには、プログラムを再インストールしてみてください。
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OK
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失礼しました。ライブラリ込み版を上げましたので、そちらをお使い下さい。
ライブラリの同梱対応ありがとうございます。
特に問題なく補正できました。
私はこれで十分ですが、
アプリケーション起動画面に手順を記載されるなら
いっそオペレーションをひとつずつ箇条書きにしてしまえば、
分かりやすいかなと思いました。
カーソルの位置ズレには困っておりましたので、便利なツールの開発ありがとうございます。
早速Vivotab note 8で利用させていただいたのですが、高精度調整、神経質調整で調整すると
画面縦置き時、右端にカーソルを持っていくと、右上端にカーソルがワープしてしまいました。
画面端で調整と、標準調整ではこの症状は現れませんでした。
(病的調整は時間がかかりそうなので試しておりません。)
また、全ての調整モードにおいて右クリックでの補正線追加ができませんでした。
標準調整でマシにはなりましたが、一応ご報告まで。
Vivotab not 8はヨドバシオンラインで予約しましたが少し出遅れたので入荷待ち組です。
横画面と縦画面で独立して補正出来れば良いのですが、多分その様には作られていないでしょうね・・・。縦画面メインで使われるのであれば、縦画面で補正すると良いかもしれません(その場合横画面でのペンの動きがおかしくなるかもしれませんが)
Bluetoothマウスの右クリックやキーボードのタッチパッドの右クリックだとメニューが出ますが、画面長押しでは右クリック扱いにならなかなったので、プログラムの仕方があるのかも知れません。時間があるときに調べてみます。
Windows 8でWacom搭載製品も増えたと思うので、もっとユーザーに応えられる様Wacomさん頑張ってほしいものです。
ねふぁさんと同じくViVoTab Note 8にてツールを利用させていただいているものです。
スタイラスの2ボタンを利用するためにEnhanced Tablet Driverを導入した上でツールでの補正を
試みたのですが、設定後にペンのカーソルがあらぬところを高速で飛び回るようになってしまいました。
再起動をかけると治るのですが、補正は反映されないままです。
ねふぁ様もお時間や機材の都合などもあるかと思いますが、改善を試みていただけると幸いです。
先ほどのコメント冒頭での
「ねふぁさん」の記載は「みゃけさん」の間違いです。
申し訳ございません。
本ツールですが、デバイス名取得や補正位置のパラメーター設定を自動化しtabcal.exeを呼び出す手助けをしているだけで、実際の補正は行っていません(補正自体はtabcal.exeがやっています)。
このため、補正するポイントの調整等は出来ますが、実際の補正や補正後の動作に関しては手が出せず、挙動についても私もまだ良く分かっていません。
WQ1/Mというタブレットで使ってみました。縦画面の状態でキャリブレーションすると、ポインタがランダムに動いたり上下左右逆に動いたりしました。Windowsを横画面の設定のままにして、タブレットを縦に持ってキャリブレーションしたところ、うまくいきました。
Enhanced Tablet Driver有り/無しどちらでもキャリブレーションできました。Photoshopなどではなく、デスクトップのカーソルで確認しました。
参考まで。
「tabcal起動」を選択後、「起動パラメーターを取得しました」のメッセージを表示だけして調整ができなくなりました。
コントロールパネルからのタブレットPC設定-調整-ペン、でも同様です。
復元方法、の記事で解決しました。
失礼しました。
[…] 提供されました! Microsoft Surface Pro2やVivotab Note 8のデジタイザ(ペン)を高精度に調整する(ツール提供) […]
[…] 今回の実験のために、こちらあたり参考にさせていただきました。 […]